知らないこと、できないことに価値がある
今日は、将来自分の将来の就職先としても考えている「浜松ホトニクス」という会社の晝馬輝夫会長が書かれた本を読んでみました。
本書では、ホームページに載っているような浜松ホトニクスの会社説明を淡々と述べるような内容ではなく、浜松ホトニクスで働く従業員がどのような考え方、姿勢をもって研究開発に取り組んでいるのかがわかるようになる内容になっている。また、そもそも「光」とは何かから、光技術の発展の今、さらに光技術の秘めたる可能性について述べ、ワクワクさせる内容となっている。そして、最終章の7章では「日本的に考える」ことがこれからの問題を解決する意図口であると説いている。
著者プロフィール
晝馬輝夫(ひるま・てるお)
1926年9月20日、浜松市生まれ。浜松工業専門学校(現静岡大学)機械科卒業後、世界で初めてブラウン管に文字映した高柳健次郎博士の精神を受け継ぎ、1953年同窓生たちと浜松テレビ株式会社を設立。1978年、社長就任、1983年に浜松ホトニクスに社名変更する。2004年に会長に就任。
本の目次
- 1章 「知らないこと、できないこと」から新しい知識が生まれる
- 2章 ”切花”より種から”育てる花”を
- 3章 わかっていること、わからないこと
- 4章 光は「物質の糊」である
- 5章 幸運の女神には、前髪しかない
- 6章 人類にとって価値「技術」から「産業」へ
- 7章 これからのサイエンスは東洋から発信される
本記事の目次
浜松ホトニクスってどんな会社?
取締役会長 :晝馬輝夫(本書の著者)
設立 :昭和28年9月29日
従業員数 :3,197名(海外出向者・その他74名除く)(平成27年9月30日現在)
資本金 :34,928百万円
事業内容
浜松ホトニクス株式会社の新卒採用・企業情報|リクナビ2017
より
宇宙、天文、通信、医療、バイオテクノロジー、半導体など、さまざまな分野で利用されている各種光センサおよび光源、光源応用装置、画像処理装置の研究開発、製造、販売。
浜松ホトニクスという会社は、「光技術」の開発に力を入れており、ノーベル賞受賞に3度も貢献していることから世界に誇る技術を持っていることがわかる。
光電子増倍管では世界9割強のシェアを持ち、他にも光技術だけで2000以上の製品があり、研究開発に専念したいなら浜松ホトニクスに就職するべきだと言っている人もいる。
自分の力で未来を切り開き、新しい世界を作ることができる会社だ。
研究とは何か。
図書館にある「知識」はすでに誰かが見つけたこと
大学というところは、「人類ができること、人類が知っていること」を教えてくれる場所
図書館や先生から得られる知識は微々たるものであり、人類が知らないことは無限にあるのだ。
だからこそ、いまだかつて誰も知らいないことを研究するということ、未知未踏を切り開くことに価値があるということが伝わってくる。
インターネットが発達し、いつでもどこでも様々な知識を簡単に得られるようになった今だからこそ、当たり前の現状を理解しなければならないと思う。
何かをよく知っている人がいるけれど、それはただ既に人類が発見した知識を暗記しているに過ぎないのであり、知らないからといって悲観することはないなと感じた。
それよりも誰もができないと考えたことに対して、向かっていくことがどれだけ大切なことかを考えつことができた。
これからの考え方
「日本的に考える」ことこそ問題解決の糸口がある
議論の際によりひどいことを言ったほうが勝ちとなる主張しあう決め方、すなわち、色々違うものを対立させるという「西洋的な考え方」ではなく、みんなをひっくるめて考えることで、新しい考え方が生まれてくるという「東洋的な考え方」を見直すことが大切であると述べている。
別の言葉では「足し算の精神」といい、これからのサイエンス分野を切り開くヒントが隠されていると気がしてならないと述べている。
筆者はより具体的な例は出さなかったが、私は次のように解釈した。
つまり、ある新しい分野を切り開くためには、今までの経験をなかったものとして新しい分野に挑戦するのではなく、今までのすべてを蓄積して臨むことで新しい分野を切り開けるということである。
また、私は工学の知識だけしかないが、例えば経済の知識等を足し合わせていくことで新しい世界が見えてくるということだと思う。